AJには、「思考・表現」という授業があります。
あるトピックに関し、自分で考え、自分の言葉で表現する授業です。
例えば、「タバコが有害で、副流煙で周囲にも迷惑をかける。それならいっそのこと、政府はタバコ製造そのものを禁止すればいいと思う。」という意見について、「みんなはどう思う?」といった具合です。
A君「ポイ捨てとか、環境にも悪影響だし、禁止していいと思う。」
Bさん「体に悪いってこれだけ言われているんだから、禁止しない意味がわからない。」
など、しばらくは「禁止に賛成」の流れが続きます。
すると、C君
「嗜好品に対して政府が禁止するのって、やっぱりおかしいと思う」
と、反対意見。
Dさんは「タバコの税収がなくなったら、困ることも出てくるんじゃないかしら?」と、これまた禁止に反対意見。
E君は「タバコを作っている人たちはどうなっちゃうの?失業者が増えたら、日本の経済が大変なことになる。」と、なるほど納得の意見も。
これは、タバコの有害性や個人の自由、税金、雇用問題などを勉強し、理解したうえで成り立つ議論です。
学ぶって、そういうことです。
知識をただ詰め込んだだけでは、ただ「知っている」だけで、自分の物にはなっていません。詰め込んだ知識を、「知性」や「教養」に変えていくには、やはり「考える」ことが大切です。
留学すると、クラス内でも意見を求められることがとても多いです。
「日本ではどうですか?」「あなたはどう思いますか?」
答えに詰まるのは、決して英語力だけの問題ではないと思います。
勉強した知識を自分の血や肉に変えるには、自分なりに「考える」必要があります。
今まで普通に見聞きしたニュースも、勉強したことをもとに自分なりに考えるようになると、また別の面が見えてきます。そして、勉強が面白くなってきます。
1995年の夏。私はアメリカを一人旅していました。
アメリカ南部を旅行中、60代ぐらいの黒人女性と知り合いました。
私は、「日本から来た留学生です。今、オレゴンの大学で勉強しています。」と伝えると、「恵まれているわね。私は20代まで、自分の名前と住所ぐらいしか文字が書けなかった。」と話しだしました。
南部を旅行中は、複数回、同じような話を聞きました。
その方は30歳から勉強をはじめ、がんばって高校卒業の資格を得たそうです。
とても「楽しかった」と、表現されていました。
そして、「“Peaceful”(平和な。安らかな。) という単語を勉強した時は、涙が出ました。」と、嬉しそうに話してくれました。
今まで自分の経験から知っていたことと、勉強して得た知識とが融合し、「世界が違って見えた。」と。
私は「詰め込み教育」を否定するつもりはありません。
ただ、詰め込んだ知識をちゃんと消化して、自分の体の一部にしようね、と思っています。
それには、しっかりと「考える」こと。自分の意見を持つこと。
テストでいい点を取るのも立派ですが、自分の考えで臨機応変に行動できるチカラを、身に着けて欲しいと思います。
株式会社 AJ 代表取締役 岩崎宗仁
AJでは、2001年の設立当初より、「グローバルな視点で物事を考え、自立し、臨機応変に行動できる人材育成する」をミッションに掲げています。
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